momoko-mの詩のあるところ

「南風桃子ブログ」の詩の部分をこちらでやってみようと思いました。

田吾作と念仏とわたし

向こうから クワをかついだ田吾作が

わたしのほうに近づいてくる

田吾作のことは好きでもなければキライでもない。

そっと私の耳に顔をよせて

 

「ナムアミダブツ…」

 

このベタな展開に

「わたしを甘く見るんじゃない」

とケリを食らわせるか(いや…暴力はよくないな)

涼しい顔して

「ん、念仏?知らんがな」

と、ことわざ通りの予定調和を演じるか

ああ、どうすれば…どうすればいいのか

空をあおぎ 悩んでいるうちに

田吾作は遠ざかっていく。

田吾作からただの馬だと思われるのが

わたしはすこし、くやしい。