くらげフリーダム
わたしは
大気にとけていく
おおきな くらげ。
やがて
すきとおった風になって
青空をおよぐ。
砂漠
金の海
金の海こえ
銀の波
銀の波こえ
ひかりのなかへ
ホトトギス
しずかな ひとみを
していても
あたしのなかの
ことりは
ほえてるよ
眠れぬ国の女王さま
ひとりずつ
ころしていって
これでやっとねむれる とおもったら
ちいさな つかまらないハエがいて
ワルツをおどる
ぶんぶん ぶかぶか ぶんぶんぶん
ぶんぶん ぶかぶか ぶんぶんぶ~ん
女王さまはしかたなくベッドから起きだして
ドレスに着替え
ハエとワルツを踊ることにしました
ポスト
ぼくは
コトバをかいた
紙をたべて
いきています
「鉄のヤギさん」
って、だれかが
いったっけな
いわなかったっけな
ちいさな決心
あおいあおい
そらの
おくのおくにひかる、
瑠璃色の
ちいさな決心。
わたししか しらない
わたしにしか みえない
瑠璃色のビーズの。
Early summer
世界の果てのほうから
夏が ほどけてくる
光が、ほどけてくる
陳腐な表現だわ と
女神がわらう
ああ それでも
世界はこんなに明るく
ほどけてくるのに